ご降誕祭の時に私はUrbi et Orbi で「免償」を受けたいと書きました。ところがこの「免償」を知らない信徒の方がおられることを知りました。また免償について誤解されている人もかなりいるようです。
免償についてはカルメル会『祈りの友』の付録に書かれています。勿論『カテキズム』にも。私は『祈りの友』の方がわかりやすく、詳しく説明してあるのでお薦めします。では、『祈りの友』から免償について少しだけ要点のみ。
まず「免償」を「罪を赦してもらうこと」と間違って解釈している人がいます。特に歴史の授業で習ったルターの宗教改革に出てくる免罪符についての歪められ誤った説明のせいでしょう。
免償とは準秘跡です。昔から教会は信者の罪を赦すときに償いを命じました。償いは特定の祈りをとなえたり、善業を行います。この償いの一部あるいは全部を免除されるのが免償です。
免償を受ける条件は三つあります。部分免償は
①大罪のない心。大罪があればゆるしの秘跡を受けておくこと。
②免償を受けたいという意志
③免償を得るために、教会が定めた事柄を果たすこと。
全免償を受けるには、上記の条件に加えて
1⃣小罪さえもない心
2⃣ゆるしの秘跡を受けること。
3⃣ご聖体拝領(全免償を受けようとする日が望ましい)
4⃣教皇のために祈ること。主の祈りと天使祝詞を唱えること。
部分免償がついている祈りと信心業の一部
・射祷を唱える。
・償い(痛悔)の心で、自分から正しい楽しみを控える。
・ご聖体訪問
・要理の勉強
・ロザリオを唱える
・聖書朗読
等々
全免償がついている祈りと信心業
・少なくとも三十分ご聖体の前で礼拝し、黙想する。
・三十分聖書を朗読し、黙想する。
・聖金曜日の式に参加して十字架礼拝の時に十字架に接吻する。
・十字架の道行き
・タントゥム・エルゴ[聖体降伏(賛美)式]
・テ・デウム
・初聖体の式にあずかる人。
・初ミサをたてる人と、そのミサに与る人。
・教皇から全世界に与えられる祝福を受ける。(Urbi et Orbi)
等々他にもあるので詳しくは『祈りの友』を見てください。
免償制度自体は、キリスト者の生活のすみずみまでが、キリストに生かされたものであり、また、そうあるべきものとする秘跡的性格をもつものです。・・・・・祈りや善業がもっている霊的な価値は神だけがご存知です。・・・・・全免償は一日一回しか受けられません。部分免償も全免償も、代願の形式で、いつでも死者に譲ることができます。この熱心な代願は、煉獄で苦しんでいる(罪の償いを果たしている)霊魂、特に自分とかかわりのある人(の償いを免償)を天国により早く送り出す方法です。『祈りの友より』
カルメル会編 『祈りの友』