映画2作品
久しぶりに良い映画を観ました。『ラストディール』と『家へ帰ろう』の2本です。
『ラストディール』は副題に「美術画商と名前を失くした肖像」とあるように、作者のサインのない一枚の肖像画を目にした画商がこの絵に引き付けられるていくことから物語は始まります。
画商と聞くと私は映画『モンパルナスの灯』でリノ・ヴァンチェラが演じた画商を思い出します。つまりあまり良い印象ではありません。
私はこの作品から風景画や静物画、肖像画などの絵画と聖画とは明らかに違うことを教えられました。また聖画は値段をつけて売るべき商品ではないと強く思ったのですが、現実にはイコンまでも売られています。修道院の修道士たちの生活を支える大切な収入源なのはわかりますが・・・複雑な気持ちです。
もう一つの作品が『家へ帰ろう』です。この作品はあるユダヤ人が主人公です。最初に交わされる主人公の老人と孫娘の会話、二人のしたたかさにちょっと驚きました。ナチスによる暗く重く苦しい過去を持つ老人ですが、それを幾人かの人たちの愛が包みます。