聖トマス・アクィナス司祭教会博士
私が特に尊敬する聖人の一人聖トマス・アクィナス。今日は『神学大全』のことは置いておいて、聖トマスの生涯について。
伯父がベネディクト会のモンテカッシーノ修道院の院長をしていたので、聖トマスも伯父の後を継ぐことを期待されて、5歳の時ベネディクト会の修道院に預けられました。19歳の時に彼はベネディクト会ではなく新しいドミニコ会に入りました。ドミニコ会入会に反対の家族は彼を強制的に連れ戻し城に幽閉しました。しかし1年余りの幽閉後ついに家族も折れて彼は自由の身となり、パリのドミニコ会に入り勉学を続けました。彼の偉大な才能を見出したのが教授の大聖アルベルトでした。当時まわりの学生たちから「馬鹿な牛」と呼ばれていた彼を大聖アルベルトは「あなたたちはこのトマスを馬鹿な牛と言っているが、この馬鹿な牛の声がいつか世界中にとどろくだろう」と言われました。(いつの時代にもいじめをするとても愚かの人たちがいるものです)そしてその言葉通り聖トマスは全世界、教会に影響を及ぼす偉大な学者となりました。
私が聖トマスに魅かれるのは学問だけではありません。それは彼の深い祈りの生活です。学問に行き詰った時にはいつも聖堂に入り、深い祈りの中で答えを見つけ出そうとしたそうです。
そして素晴らしいご聖体に対する祈りの聖歌を書きました。今でも教会で歌い続けられている「Tantum ergo」「O salutaris」「Panis angelicus」の歌詞は聖トマスが書いたものです。
YouTube: The Roger Wagner Chorale - Panis angelicus (Franck)