聖ピオ十世教皇 記念日
聖ピオ十世教皇様については、ベネディクト十六世教皇様のお話しで、いかに素晴らしい教皇様であったかがわかります。
聖ピオ十世の教皇職は、消し去ることのできないしるしを教会史に残しました。それは改革への際立った努力によって特徴づけられます。この改革は「キリストのうちに万物を刷新する(Instaurare omnia in Christo)」という標語でまとめられました。
実際、ピオ十世の取り組みは教会のさまざまな分野に及びました。彼は初めからローマ教皇庁の機構改革に努めました。それから、教会法の編纂作業を開始しました。この教会法は後継者のベネディクト十五世によって公布されます。
さらにピオ十世は司祭志願者の勉学と養成課程の見直しを推進し、優れた図書室と優秀な教授を擁するいくつかの諸教区神学校を設立しました。もう一つの重要な分野は、神の民の教理的な養成です。主任司祭だったとき、ピオ十世自身、カテキズムを執筆し、マントヴァ司教職を務めていたときには、世界中で使用されはしないまでも、少なくともイタリア語による唯一のカテキズムを作成するために努力しました。真の意味での司牧者である彼は、移住の現象が見られる当時の状況から、生活する場所と状況と関係なく、すべての信者が参照することのできるカテキズムが必要だと考えたのです。教皇になると、ローマ教区のためのキリスト教教理の教科書を作成しました。この教科書は後にイタリア全土、また世界中に広まりました。『聖ピオ十世の公教要理』と呼ばれるこのカテキズムは、単純、明快、かつ正確な書き方と、力強い解説のゆえに、多くの人にとって信仰の真理を学ぶ上での確かな導きとなりました。
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信者の信仰を強めるという務めを忠実に果たそうとした聖ピオ十世は、19世紀末から20世紀初頭にかけて神学界に現れたある種の傾向に対して決然と介入し、「近代主義」を非難しました。それは、信者を誤った思想から守り、教会の聖伝と一致した形での啓示の学問的探究を推進するためです。
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聖ピオ十世はわたしたち皆に次のことを教えてくれます。わたしたちはさまざまな分野で使徒的活動を行います、しかし、その基盤には、常にキリストとの深い個人的な一致がなければなりません。そして、このキリストとの深い個人的な一致を、日々、深め、成長させなければなりません。これこそがピオ十世の教えと司牧活動全体の核心です。主に心を捕らえられることによって初めて、わたしたちは、人々を神へと導き、神のあわれみ深い愛へと開き、そこから、世を神のあわれみへと開くことができるのです。
(2010年8月18日 教皇ベネディクト十六世一般謁見演説より)
バーク枢機卿様はCovid-19 にかかり入院されています。枢機卿様のためにロザリオをお祈りしましょう。