嵯峨御流
「春節」(野花の生け花より)
以前にも書きましたが葉室麟さんの小説『嵯峨野花譜』で嵯峨御流いけばなを知りました。そして小説を読んで以来ずっと「嵯峨御流」が気になっていました。
たまたまYouTubeで見たお花が素敵で、それを生けておられたのが嵯峨御流師範の方でした。基礎だけでも習いたいと思ったのですが近くに教室はありません。仕方がないので本を買って読んでみることにしました。
そもそも「嵯峨御流」とは仏前供養の「嵯峨荘厳華」、生花の「未生流」、盛花・瓶花の「嵯峨流」を総称して、三様式の流名はそのまま残し対外的に「嵯峨御流」と呼ばれているそうです。
私は二十歳くらいの頃に母に勧められて一度だけ未生流のお稽古場へ伺ったことがあります。お花の先生は勿論のこと生徒さん方も年配の茶道の先生をなさっている方が多く、その凛とした空気、雰囲気に怖気づき二回目はありませんでした。あの時に頑張って通い続けていたら・・・今は後悔しています。
『嵯峨御流いけばな』です。⇩
先日夫と「専心池坊いけばな展」を見に行きました、
夫は英国スタイルの華やかなお花が気にいったようです。どの作品もとても美しく華麗で、特に私の好きな椿の生けてある作品の前ではつい長く足が止まってしまいました。そして花器も素晴らしく、お花との調和も見事でした。
様々な作品を見て、人はそれぞれに好みが違うからこそ良いのだと思いました。また自分の好きな花が生けてあると特に嬉しくて心が温かくなることも。
生け花は生ける場所と目的によっても違うでしょう。茶室にぴったりな生け花でも教会の祭壇には不向きなことがあります。祭壇のお花は主を賛美するためですから華やかさも必要ですね。国によっても様々な習慣や生け方があると思います。