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2016年10月28日 (金)

『生きる 描く 愛する』

 久しぶりに美術の本を読みました。婦人之友社から出版されている『生きる 描く 愛する』です。

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 著者は美術評論家の(故)田中穣氏でこの本に取り上げられている画家は42名、それぞれの画家の代表作が一点載っていて、画家についてまたその作品について書かれています。

 日本画家では上村松園、上村松篁、奥村土牛、加山又造、小倉遊亀(表紙の絵)など、洋画家は小磯良平、佐伯祐三、安井曾太郎、梅原龍三郎、荻太郎など日本を代表する画家ばかり。絵の好きな人にとってはたまらない一冊です。

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 「リュクサンブール公園」 佐伯祐三

 実はこの本も古本で買いましたがほぼ新品状態の本が届きました。その値段1円です。いくら本離れが進んでいるとはいえ、この素晴らしい内容の本が1円とは・・・。良い物が安く手に入るのは嬉しいのですが、何か物の価値が狂っているような・・・世の中おかしいですよ。

  さて、 この本を読んで日本画に縁のなかった私は日本画にぐ~んと引き寄せられました。上村松園や松篁も素晴らしいのですがこの表紙絵の小倉遊亀さんの作品に心奪われました。他にも「舞う舞妓」等の人物画や静物画(特に牡丹や椿)、どれも素晴らしい作品です。人物の肌の温かみ、舞の気迫、花びらのやわらかさと花瓶の陶器の硬さ等々、その物を見極める確かな目と表現力に圧倒されました。ご本人も想像では描かないとおっしゃっている通り、実際に彼女の目で見たものを彼女を通して表現されているからこそ彼女にしか描けない世界が生まれるのだと思います。

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小倉遊亀の作品