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2023年9月 7日 (木)

祈りについて

 結婚を機に洗礼を求めて勉強された方が、「信者は一応日曜日にミサに行けばよいと思ってましたが、いろいろ大変ですね」と言ったそうです。それについて松永久次郎司教様はこう書かれています。「正にその通り、本当にキリスト信者であるというのは、ある意味では大変なことです。なぜなら、時をきめて、例えば盆と正月に行って拝めばよろしい、時々お墓参りに行けばよろしいというのではなく、ずっと一年中、朝から晩まで、神さまが私たちのお父さんであるということを、心にしっかりと刻んで生きていかなければならないからです。これが信者です。そして、そのことが姿・形となって現れるのが、お祈りなのです。」と書かれています。

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 長崎の方ならこの本を知っておられるでしょう。松永久次郎司教様が書かれた『祈りと秘跡』です。前半は祈りについて、後半は秘跡について書かれています。今頃になって私も読みました。とても分かりやすく、今忘れられている大切なことが書かれています。信仰生活がマンネリ化している人、洗礼を受けたばかりの人、カトリックに興味のある人にもお薦めします。

 「親のための祈り」の箇所から

信者にとって、他人のために祈るほど、自分のためになることはないのです。たとえ、まずいお祈りでも他人のためにささげるときは、自分のためにお恵みのもとになります。子供を守りたいなら、親のために祈るように子供に教えていてください。親のための祈りが子供を守ります。そしてそれがあとで、家族の祈りという大切なお祈りになっていきます。・・・親のために祈ることも、人間にとって大切なことの中に入ります。親のために祈る子供の姿は、とても美しいものです。神さまの祝福をまっすぐにひきだすような、美しさをもっています。そんな美しさを子供に与えてほしいと思います。

 勿論「子供のための祈り」や「夫婦相互のための祈り」についても書かれています。そして神学生や司祭職について、確かに神学生、司祭職の中には、人間として欠点をもち、尊敬に値しないと思われるお方もいるでしょう。しかし、彼らの人間的欠点を温かくおおいながら、彼らを神さまに召されたもの、神さまに近い役割を果たすものとして、尊敬してください。特に子供たちの前でそうしてください。こんなことが純粋な信仰を育てるのに役立ちます。

 この頃からすでに教会の危機が芽生え始めていたのかもしれません。今まで当たり前だったことがそうでなくなり始めた・・・祈りをあまりしなくなり、子供に祈りを教えない、主日のミサより他を大切にする、告解を軽視し、司祭に暴言を吐く・・・。これら信徒の怠りを司教・司祭様方がもっと早く諭し教え導いていたら今のような状況にはならなかったかもしれません。また司祭も一般信徒と同じような服装をして趣味に力を入れ、忙しいを理由に黙想や祈りをおろそかにする司祭の生活態度見れば、特に司祭になりたいと思う子供はいなくなるでしょう。良い司祭に出会えた子供は自分もそうなりたいと思うはずです。長崎や奄美の教会は召命が多いことで有名でしたが、今はとても少なくなりました。どの国でもミサに与る信徒は減り、神学生も減り続けています。

 皆さん毎日祈りましょう。子供のため、家族のため、病者のため、戦争や迫害で苦しんでいる人達のため、亡くなった人のため、教皇・司教・司祭・修道者のために、そして教会のために。

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