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2019年1月18日 (金)

「MAGI」を見終わって

 見終わって突っ込みたい所は色々とあるのですが、これはあくまでもフィクション、作られた話なので止めておきます。ただし「史実に基づき制作された」とあるので、これだけは書いておこうかな。

 聖書に登場する三人の賢者は一般にはメルキオール、バルタザール、カスパールと名付けられていますが、聖画では一人の賢者は肌の黒い人として描かれています。カトリックでは黒い肌でも賢者。黒い肌の聖人もいますよ。

 キリストは人間の姿でこの世に生まれました。まさしく人間です。そして同時に神の子です。父と子と聖霊三位一体の神であるということ。ドラマでは人間としてのイエズスの姿しか見えませんでした。

 他人から強要されたり、他の目的のための洗礼は無効です。本人がキリストを心から信じ、本人自身が望んだ洗礼でなければなりません。神をだますことはできませんから。

 後に司祭となった三人、日本で殉教した中浦ジュリアンと病死した伊藤マンショ、マカオで亡くなった原マルティノの強く篤い信仰は遣欧の旅によってどのように育まれたのかをもっと深く知りたかったのですが、このドラマでは無理でした。残念です。

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 今日祇園之洲(聖フランシスコ・ザビエルが日本に上陸した地)へ行ってきました。

 私は聖フランシスコの像を見て、『イエズス会士の聖フランシスコは自分が日本に伝えたキリスト教の今の姿をどのような思いで見ているのか・・・』と、ふとそんなことを考えました。

 聖イグナチオ・デ・ロヨラと聖フランシスコ・ザビエルをはじめとする6人の聖なる仲間たちは「神のより大いなる栄光のために」(Ad Majorem Dei Gloriam) をモットーにイエズス会を創設しました。その精神は今も変わらず生きています。自分の名誉や栄光ではなく神の栄光のために命を懸けたイエズス会士がいたことを忘れません。

 明日19日は「イエズス会67殉教者」記念日です。四つの異なる時代、1570年、1593年、1619年、1792年(信長の時代から江戸時代)にカナリヤ諸島、フランス、ベルギー、そしてフランス革命でイエズス会士67人が殉教しました。これはドラマを見た後の私がイエズス会士についての真実を知るよい機会となりました。

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