« 十字架の道行きとノヴェナ | メイン | オカリス司教様 »

2020年3月12日 (木)

「天に宝を積む」

9
 卒業する学生の皆さん、トマさんの話は高校生に限らず、卒業するすべての学生に贈りたい話です。

 [トマさん祈りの部屋より] 高校を卒業する皆さんは、いよいよ自分の人生を歩み始めます。その第一歩を踏み出すに当たり、最後の言葉を送りたいと思います。『天の国に宝を積め』、イエスの教えです。「この世」に富を蓄えても、死んだら無一物で何も持っていけません。死んだ時に私たちが手にしているのは、所有していたものではなく、人々に「与えた」ものです。それが唯一自分に残るものなのです。自分の時間を与える。自分の愛情を与える。自分の大切なものを与える。誰かのために自分を与えるのです。こうして「天国に宝を積む」のです。(2020/02/14 高校三年生、最後の朝の説教より:小寺神父)

 世間一般では名誉やお金を手に入れた人が成功者と言われています。そしてそれを目標に頑張るようにと親、先生方は生徒を激励します。名声やお金を手に入れることは悪いことではありません。でもそれで終わりではありません。手に入れたものを他人のためにいつでも喜んで手放せる、そこが大切なのです。そうできるのがキリスト者、キリストの教えを生きる人です。

 「人それぞれの能力は神が与えてくださったもの。それは自分のために使うためではなく、他の人のために使うために神が与えられた」とは、私の友人から聞いた言葉です。トマさんが言っていることと同じですね。